受診をためらう男性へ——「メンタルは気合で治る」という思い込みを手放すために|北海道オンライン診療

「これくらい自分で乗り越えなければ」「精神科に行くのは弱い証拠だ」——そう感じて、ずっと一人で抱え込んでいませんか?実は、男性は女性に比べて精神科・心療内科を受診するまでの期間が長い傾向があります。この記事では、メンタルの不調が「気合」では解決できない医学的な理由、受診のタイミングの目安、そして北海道で利用できるオンライン診療の選択肢まで、わかりやすくお伝えします。

「最近、眠れていない。仕事に集中できない。でも、これくらいで病院に行くのは大げさだろう」——そう思いながら、何週間も、あるいは何ヶ月も過ごしていませんか?特に男性の方から、こうした言葉をよく耳にします。「強くなければいけない」「弱音を吐いてはいけない」という価値観が、受診への一歩を遠ざけてしまうことがあります。

しかし、メンタルの不調は根性や気合で解決できるものではありません。これは精神論ではなく、脳や神経のはたらきに関わる医学的な事実です。適切な時期に適切なサポートを受けることで、症状が大きく改善することが多くあります。逆に、受診を先延ばしにすることで、症状が長引いたり、日常生活への影響が広がったりするリスクもあります。

この記事では、男性がメンタルヘルスの受診をためらいやすい理由を整理したうえで、「これは受診を考えるべきサインかもしれない」という目安、メンタル不調の医学的なしくみ、そして実際にどんな治療が受けられるのかについて、できるだけ平易な言葉でお伝えします。一人で抱え込まなくていい理由を、一緒に考えてみましょう。

なぜ男性は受診をためらいやすいのか?

厚生労働省の患者調査(2020年)によると、精神・行動の障害で医療機関を受診している患者のうち、女性の割合は約60%と男性を上回っています。もちろんこれは、女性の方が精神疾患になりやすいという意味ではありません。男性が受診に至るまでの敷居が高い、あるいは受診に至る前に職を失ったり、最悪の場合に至ったりするケースが多いことが背景にあると考えられています。

実際、自殺者の統計を見ると、男性は女性の約2倍の水準が長年続いています(厚生労働省「令和5年版自殺対策白書」)。これは、男性がメンタルの不調を抱えながら受診せずにいる期間が長くなりやすい現状を、間接的に示しているとも言えます。

受診をためらう背景には、いくつかの社会的・心理的な要因があります。

これらはどれも「おかしな感覚」ではなく、多くの男性が経験していることです。ただ、こうした感覚が受診を遅らせ、結果として回復に時間がかかることにつながりやすい点は、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

「気合で治る」が医学的に誤りである理由

「メンタルの不調は気の持ちようで何とかなる」という考え方は、残念ながら医学的な根拠がありません。うつ病をはじめとする精神疾患は、脳の神経回路や神経伝達物質(脳内の情報を伝えるための化学物質)のバランスの乱れが関わっていることが、多くの研究で明らかになっています。

たとえばうつ病では、セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンといった神経伝達物質の機能不全が症状に深く関与していると考えられています。これは骨折した足に「気合で歩け」と言うのと同じくらい、的外れなアドバイスです。骨折は目に見えるからサポートが当然とされますが、脳の機能不全は目に見えないために「気合で何とかなる」と思われがちです。

また、ストレスが長期間続くと、脳のストレス応答を担う「HPA軸(視床下部—下垂体—副腎系)」が過剰に活性化し、コルチゾールというホルモンが慢性的に高い状態になります。これが海馬(記憶や感情の調節に関わる脳の部位)の萎縮や、前頭前野(判断・感情制御を担う部位)の機能低下につながることが、神経科学の研究で示されています。つまり、「もっと頑張ろう」と思う力そのものが、脳のレベルで低下してしまっているのです。

メンタルの不調は「意志の問題」ではなく「脳・神経系の機能の問題」です。適切な治療によって神経伝達物質のバランスを整えたり、認知のパターンを見直したりすることで、症状の改善が期待できます。これは根性論では代替できないプロセスです。

さらに、症状を放置することで悪循環が生まれやすくなります。不眠が続けば疲労が蓄積し、集中力や判断力が低下する。仕事のミスが増えれば自己評価が下がり、さらに気力が失われる。このスパイラルに入り込んでしまうと、回復にはより多くの時間とエネルギーが必要になります。早めに専門家に相談することが、結果として「早く元の自分に戻る」近道になることが多いのです。

これは受診を考えるサインかもしれない——チェックしてみましょう

「自分はそこまでひどくない」と思っていても、症状が積み重なっているケースは珍しくありません。以下のような状態が2週間以上続いている場合、専門家への相談を検討するタイミングかもしれません。

「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちが出てきた場合は、できるだけ早く医療機関や相談窓口(よりそいホットライン:0120-279-338)に連絡してください。一人で抱え込まないでください。

男性のうつ病では、「悲しい」「つらい」という感情よりも、「怒りっぽい」「イライラする」「ものごとに無関心になる」「お酒の量が増える」といった形で現れることがあります(これを「仮面うつ病」や「男性型うつ」と呼ぶこともあります)。「自分はうつじゃない」と思っていても、実はうつ状態にある、というケースも少なくないのです。

主な精神疾患の種類と有病率——メンタルの不調はめずらしくない

精神的な不調は、特別な人だけに起こるものではありません。世界保健機関(WHO)の推計では、世界人口の約13%が何らかの精神疾患を抱えているとされています。日本でも、厚生労働省の調査によれば、2020年時点で精神疾患を有する患者数は約614万人に上ります。

主な精神疾患 生涯有病率(日本)の目安 男性に多く見られる特徴
うつ病・抑うつ障害 約6〜7% 怒りやすさ・飲酒増加として現れやすい
不安障害(全般性不安障害等) 約5〜10% 身体症状(動悸・頭痛等)として現れやすい
適応障害 数%〜10%超(推計) 職場環境の変化や過重労働が引き金になりやすい
PTSD・トラウマ関連障害 約1〜2% 症状を「弱さ」と感じ受診が遅れやすい
双極症 約1〜2% 躁状態が「好調期」と誤認されやすい

有病率が示すとおり、精神的な不調は誰にでも起こりうる、ごくありふれた健康問題です。糖尿病や高血圧と同じように、早期に適切なケアを受けることが重要です。「自分だけがおかしいのではないか」という孤立感を感じている方にも、この数字が少しでも安心につながればと思います。

どんな治療が受けられる?——薬物療法と精神療法

「病院に行ったら、どんな治療をするのだろう」という不安も、受診をためらう理由のひとつかもしれません。精神科・心療内科での治療は、大きく「薬物療法」と「精神療法(心理療法)」に分けられ、多くの場合はこの二つを組み合わせながら進めていきます。

薬物療法

薬物療法では、症状の種類や重症度、身体の状態などを総合的に判断したうえで、医師が適切な薬を処方します。たとえばうつ病では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれる種類の抗うつ薬が、国内外のガイドラインで第一選択として推奨されています。これらは脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気分の落ち込みや不安感の軽減を目指すものです。

「薬に頼るのは負け」と感じる方もいるかもしれませんが、薬物療法は症状を和らげ、日常生活を送れる状態に戻すための「足場」のようなものです。薬を飲みながら、睡眠や食事、日常の活動を少しずつ回復させていくことで、自然治癒力も高まりやすくなります。薬の種類や量は、効果と副作用を見ながら医師と一緒に調整していくものであり、「ずっと飲み続けなければならない」ということもありません。

精神療法(心理療法)

精神療法は、カウンセリングや心理士・医師との対話を通じて、物事の受け取り方や行動パターンを見直していく治療法です。代表的なものとして、認知行動療法(CBT)があります。これは「出来事をどう解釈するか(認知)」と「そのときの行動」の関係を丁寧に分析し、より現実的でバランスのとれた考え方を身につけていく療法です。うつ病・不安障害・PTSDなど、多くの精神疾患で有効性が示されており、日本でも保険適用(一定の条件下)で受けることができます。

「話すことが苦手」「自分の気持ちをうまく言葉にできない」という方でも、最初は医師と短い会話を重ねるだけで構いません。精神療法はトレーニングのようなもので、少しずつ積み重ねていくものです。

治療の方針は「一人ひとりの状態に合わせて」決まるものです。最初の受診ですべてが決まるわけではなく、通院を重ねるなかで医師と一緒に調整していきます。「まずは話を聞いてもらう」という気持ちで受診していただいて構いません。

北海道でオンライン診療という選択肢

「精神科に行くところを誰かに見られたくない」「クリニックまでの移動が億劫だ」「仕事の合間に受診する時間がとれない」——こうしたハードルを感じている方には、オンライン診療という選択肢があります。

北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、精神科専門医・精神保健指定医による診療をオンラインで受けることができます。スマートフォンやパソコンがあれば、北海道内のご自宅や職場から受診できるため、通院にかかる時間的・心理的なコストを大きく減らすことができます。

特に、「病院の待合室で知り合いに会うかもしれない」「受診していることを職場に知られたくない」という不安を持つ方にとって、オンライン診療はプライバシーを守りながら医療にアクセスできる手段として活用いただけます。また、北海道は広大な地域のため、近くに精神科・心療内科がない、あるいは予約が取りにくいという地域的な課題もあります。オンライン診療はそうした地理的なハードルも解消します。

初診から対応しておりますので、「まずは話を聞いてもらいたい」「自分の状態が受診すべきレベルなのか確かめたい」という段階でもご相談いただけます。もちろん、オンライン診療がすべての方に適しているわけではなく、症状の内容によっては対面診療をお勧めする場合もありますが、まずお気軽にご相談ください。

受診を迷っている方へ

「もう少し様子を見ようか」と思い始めてから、どれくらいの時間が経ちましたか?1週間?1ヶ月?もしかしたら、もっと長い時間かもしれません。

受診をためらう気持ちは、決してだらしなさや弱さではありません。それはむしろ、「自分で何とかしようとしてきた」証でもあります。ただ、そろそろ「一人で頑張る」フェーズを終わりにしてみませんか。

精神科・心療内科を受診することは、自分を責めることでも、諦めることでもありません。骨折したときに整形外科に行くように、脳や神経のはたらきが乱れているときに精神科に行くことは、ごく自然な選択です。受診という行動そのものが、「自分の健康を守ろうとする力強い一歩」です。

また、初めての受診で「すべてを話さなければならない」と身構える必要はありません。「最近眠れない」「気力がわかない」「なんとなくしんどい」という言葉だけで十分です。医師はその言葉を入り口に、一緒に状態を整理していきます。

「自分のことを大切にすること」は、男性にとっても大切な生き方のひとつです。周りの人のために頑張り続けてきた方こそ、一度、自分自身のメンタルヘルスにも目を向けてみてください。あなたが健康でいることは、あなただけでなく、周囲の人たちにとっても大切なことです。

北海道オンラインクリニックでは、受診への一歩を踏み出そうとしている方をお待ちしています。「受診すべきか迷っている」という段階からでも、どうぞご相談ください。一人で抱え込まなくていい場所が、あります。

まとめ

監修:道塚 瞬(精神科専門医・精神保健指定医/北海道オンラインクリニック 統括医師)

北海道オンラインクリニックについて

北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、統括医師・道塚瞬が 日本専門医機構認定 精神科専門医および 厚生労働省 精神保健指定医の両資格を有しており、 初診から必ず専門医が担当します。

「近くに専門医がいない」「通院が大変」「プライバシーが心配」という 北海道全域の方々に、自宅から質の高い精神科医療をお届けするために、 オンライン遠隔診療を提供しています。

監修医師 道塚瞬

監修医師

道塚 瞬(みちづか しゅん)

北海道オンラインクリニック 統括医師

厚生労働省 精神保健指定医 日本専門医機構認定 精神科専門医

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