アルコールと精神疾患の関係|お酒に頼っていませんか?北海道で受診を考える方へ

「眠れないときは少しお酒を飲む」「仕事のストレスを晩酌で発散している」——そんな習慣が、いつの間にか手放せなくなっていませんか?アルコールと精神疾患には密接なつながりがあります。この記事では、アルコール依存症の基礎知識から症状・治療法まで、精神科専門医の監修のもとわかりやすく解説します。「自分はまだ大丈夫」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。

「仕事が終わったあとの一杯がないとやっていられない」「お酒を飲まないと眠れない夜が続いている」——こうした悩みを抱えながらも、「アルコール依存症なんて自分には関係ない」と感じている方は少なくありません。依存症というと、毎日大量に飲んで倒れるようなイメージを持たれがちですが、実際にはもっと身近なところにリスクは潜んでいます。

また、うつ病や不安障害などの精神疾患を抱えている方が、症状を紛らわすためにお酒に頼るケースも非常に多く見られます。アルコールと精神的な不調は、互いに影響し合いながら悪化していくことがあるため、どちらか一方だけを切り離して考えることが難しい問題です。

この記事では、アルコールと精神疾患の関係性・アルコール依存症の症状や診断・治療法について、精神科専門医の監修のもとわかりやすく解説します。「もしかして自分も?」という方が、適切な情報をもとに次の一歩を踏み出せるよう、できるだけ丁寧にお伝えしていきます。

アルコール依存症とは?まず基本を知ろう

アルコール依存症とは、飲酒に対するコントロールを失い、身体的・精神的にアルコールへの強い依存が生じている状態のことです。医学的には、国際疾病分類(ICD-11)や米国精神医学会の診断基準(DSM-5)において正式な疾患として定義されています。

DSM-5では「アルコール使用障害(Alcohol Use Disorder)」という名称が使われており、飲酒量や飲酒行動に関する11の項目のうち2項目以上に該当する場合に診断されます。「やめようとしてもやめられない」「飲む量が増えている」「飲まないと手が震えたり落ち着かなくなる」といった症状が診断の参考になります。

厚生労働省の推計によると、日本国内のアルコール依存症の患者数は約107万人とされています。しかし、実際に医療機関を受診しているのはそのうちの約5万人程度にとどまっており、多くの方が治療を受けないまま過ごしていると考えられています。

また、アルコール依存症に至る前の段階として「危険な飲酒(ハザードラスドリンキング)」や「有害な飲酒」という状態があります。これらは依存症の一歩手前にあたり、早期に気づいて対処することで、より深刻な状態への進行を防ぐことができます。「まだ依存症というほどではないけれど、飲みすぎが続いている」という方も、ぜひ読み続けてみてください。

アルコールと精神疾患:深い関係性

アルコールと精神疾患の関係は、非常に複雑に絡み合っています。大きく分けると、次の二つの方向性があります。

精神疾患がある人がお酒に頼るケース

うつ病・不安障害・社交不安症PTSDなどの精神疾患を抱えている方は、症状を一時的に和らげようとしてアルコールを使うことがあります。お酒を飲むと緊張がほぐれ、気分が楽になったように感じるのは、アルコールが脳内の抑制系神経伝達物質(GABA)に作用するためです。しかし、この「楽になる感覚」は一時的なものにすぎず、アルコールが分解されると反動で不安感や抑うつ症状がより強くなることがわかっています。

結果として、「飲まないとつらい」というサイクルに入りやすくなり、精神症状とアルコール問題が同時に悪化していく「二重診断(コモービディティ)」の状態に陥ることがあります。

飲酒が精神疾患を引き起こすケース

一方で、飲酒習慣そのものがうつ病や不眠、不安症状を引き起こすこともあります。アルコールは中枢神経抑制薬であり、長期的・大量に摂取することで脳の神経系に変化をもたらし、気分の落ち込み・睡眠障害・記憶障害・認知機能低下などを招くことが知られています。

「お酒を飲んでいるのにいつも気分が晴れない」「以前より記憶力が落ちた気がする」という症状は、アルコールそのものが原因となっている可能性があります。

アルコールによる睡眠への影響にも注意が必要です。「お酒を飲むとよく眠れる」と感じる方も多いですが、アルコールは睡眠の質を低下させ、特に深い睡眠(ノンレム睡眠)を妨げることがわかっています。寝酒が習慣になると、飲まないと眠れない状態が形成されやすくなります。

こんな症状はありませんか?チェックしてみましょう

アルコール依存症や問題飲酒のサインは、本人が気づきにくいことが多いものです。以下に代表的なサインを挙げます。あてはまるものがないか、振り返ってみてください。

これらの項目に複数あてはまる場合、アルコールとの関係を見直すきっかけにしていただきたいと思います。特に、飲まないと離脱症状(手の震え・発汗・不眠・動悸など)が出る場合は、身体依存が形成されている可能性が高く、自己判断で急に飲酒をやめることは危険なことがあります。まずは医療機関への相談をお勧めします。

なぜお酒に頼ってしまうの?原因を知ろう

「意志が弱いからお酒がやめられない」と自分を責めている方もいるかもしれません。しかし、アルコール依存症は意志の問題ではなく、脳の変化を伴う医学的な疾患です。

脳への影響

アルコールは飲むたびに脳の報酬系(ドーパミン系)を刺激し、「快感」や「安堵感」をもたらします。これが繰り返されると、脳はアルコールなしでは同じ快感を得られなくなるよう変化し、「もっと飲まなければ」という強い渇望感(クレービング)が生まれます。これは脳そのものが変化した結果であり、根性や意志力で乗り越えられるものではありません。

環境・社会的要因

職場のストレス・人間関係の悩み・孤独感・経済的な不安なども、飲酒量増加の大きな要因となります。特に北海道のような気候の厳しい地域では、冬季うつ(季節性感情障害)などによって気分の落ち込みが起きやすく、その対処としてお酒に頼る方も一定数います。

遺伝的要因

アルコール依存症には遺伝的な要因も関係していることが知られています。家族にアルコール依存症の方がいる場合、そうでない方に比べてリスクが高くなることが複数の研究で示されています。これも「本人の責任」ではなく、体質・遺伝的な素因の一つとして捉えることが重要です。

治療法:どんな治療が受けられる?

アルコール依存症は、適切な治療によって回復が期待できる疾患です。「一生お酒を飲んではいけない」という厳しいイメージを持っている方もいるかもしれませんが、治療のゴールや方法は一人ひとりの状況に合わせて考えていくものです。

薬物療法

アルコール依存症の治療に用いられる薬剤にはいくつかの種類があります。飲酒に対する渇望感を抑える薬や、お酒を飲んだときに不快な反応を起こさせる薬(抗酒薬)などが代表的です。また、うつ病や不安障害が併存している場合は、それらに対する薬物療法も並行して行われます。どの薬剤が適切かは、患者さんの身体状態・飲酒パターン・併存疾患などを踏まえて医師が判断します。自己判断で薬を選んだり中止したりすることは避けてください。

なお、長期間の大量飲酒がある場合は、急な断酒によって離脱症状(振戦・けいれん・幻覚など)が起きることがあります。このような場合は入院管理のもとで安全に断酒を進めることが必要になることもあります。

心理・精神療法

薬物療法と並んで重要なのが、心理・精神療法です。主なアプローチとして以下のものが知られています。

また、家族へのサポートも治療の重要な柱です。アルコール問題を抱える方の家族も大きなストレスを受けており、家族向けのカウンセリングや家族会への参加が勧められることもあります。

北海道でオンライン診療を受けるには?

「精神科や心療内科を受診したいけれど、近くにクリニックがない」「外来に通うのが難しい」——北海道は広大な地域であるため、こうした悩みを持つ方が少なくありません。特に冬季は交通の便が悪くなりやすく、通院のハードルが高くなりがちです。

北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療を提供しています。自宅にいながら精神科専門医・精神保健指定医の診察を受けられるため、「遠くて通えない」「誰かに見られたくない」という方にも利用しやすい環境です。

アルコール問題の相談は、「自分でもどう言えばいいかわからない」という方が多いですが、オンライン診療では画面越しに、落ち着いた環境で話すことができます。初診から対応していますので、「まず話を聞いてほしい」という段階からご相談いただけます。

オンライン診療では、問診・現在の症状の確認・薬の処方・継続的なフォローアップが受けられます。ただし、重度の離脱症状がある場合や入院が必要と判断される場合は、対面での専門医療機関への紹介となることがあります。まずは現在の状態についてお気軽にご相談ください。

受診を迷っている方へ

「アルコール依存症だと診断されるのが怖い」「病院に行ったら、お酒を完全にやめさせられるのでは」「家族や職場に知られてしまうのでは」——受診をためらう理由は、人によってさまざまだと思います。その不安の気持ちは、ごく自然なことです。

ただ、一つだけお伝えしたいことがあります。「気になっている」「もしかして」と思えているうちが、動きやすいタイミングだということです。問題が進むほど、日常生活への影響が大きくなり、治療の道のりも長くなりがちです。早い段階で専門家に相談することは、決して「大げさなこと」ではありません。

精神科・心療内科の受診は、あなたの弱さを示すものではありません。身体の病気と同じように、専門的なサポートを借りながら回復を目指すことは、とても合理的な選択です。医師は「もっと早く来ればよかった」と思う患者さんを、毎日のように診ています。

また、「自分のことではなく、家族のことで相談したい」という方も、ぜひご利用ください。アルコール問題は当事者だけでなく、周囲の方も含めて考えていくことが大切です。一人で、あるいは家族だけで抱え込まずに、まず話を聞いてもらうところから始めてみてください。

北海道オンラインクリニックは、受診のハードルをできるだけ低くするための環境を整えています。「もう少し様子を見よう」と思い続けてきた方も、この記事を読んだ今日が、最初の一歩を踏み出すタイミングになれば幸いです。

まとめ

北海道オンラインクリニックについて

北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、統括医師・道塚瞬が 日本専門医機構認定 精神科専門医および 厚生労働省 精神保健指定医の両資格を有しており、 初診から必ず専門医が担当します。

「近くに専門医がいない」「通院が大変」「プライバシーが心配」という 北海道全域の方々に、自宅から質の高い精神科医療をお届けするために、 オンライン遠隔診療を提供しています。

監修医師 道塚瞬

監修医師

道塚 瞬(みちづか しゅん)

北海道オンラインクリニック 統括医師

厚生労働省 精神保健指定医 日本専門医機構認定 精神科専門医

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